石見銀山が開かれた初期、掘り出された銀や銀鉱石を運び出した港が残っています。鞆ヶ浦(ともがうら)といい、16世紀前半、博多から多くの商船が銀鉱石を求めてここに来航し、繁栄したそうです。
その後港は温泉津(ゆのつ)に移り、ここは漁村となって大きな開発もされず、当時の港の形態をそのまま残すことになったのだそうです。
今も訪れる人はほとんどいませんが、当時を伝える貴重な港湾遺跡として、石見銀山の世界遺産区域に登録されています。
特に看板もなく、見逃してしまいそうな細い道を入っていきます。
小さな踏切を越えて、漁村の先のトンネルをくぐった行き止まりに鞆ヶ浦はありました。
「鼻ぐり岩」と呼ばれる船を係留する岩礁。
岸の岩に通し穴を開けてそこに縄を通していたそうです。当時のものがそのまま残っています。
湾に面する集落。当時をしのばせる地割りや街路が残っており、番屋敷跡も確認されています。
右手岬の先端には海の安全を祈願する厳島神社があります。
静かで綺麗な海に囲まれた鞆が浦でした。
/E-620 LEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm/F3.5-5.6 ASPH (2010.5.3)
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